今話題の「線虫くん」は、もう受けましたか?
テレビCMで有名芸能人が「僕は受けます」と言っていたり、癌の早期発見を謳っているわけですが、本当に効果があるのか気になりますよね。
結局、検査の精度や費用などを知らないと手を出して良いのか分からないと思います。
そこで、筆者が実際に線虫くん (N-NOSE) の検査を受けた結果や感想を公開してみようと思います。
「線虫くん (N-NOSE)」とは何か?
「線虫くん (N-NOSE)」とは、線虫が癌の匂いに引き寄せられるとされる特性を利用して、人間の尿から癌のリスク判定を行う検査のことです。
この検査は、採尿した検体だけあればできるので、安価で身体的苦痛もなく、いつでも手軽に行えるメリットがあるとされています。
また、全身15種類の癌をステージ1の段階であってもリスク判定ができると言われています。
線虫が反応するとされている癌腫
- 胃がん
- 大腸がん
- 肺がん
- 乳がん
- 子宮がん
- 膵臓がん
- 肝臓がん
- 前立腺がん
- 食道がん
- 卵巣がん
- 胆管がん
- 胆のうがん
- 膀胱がん
- 腎臓がん
- 口腔・咽頭がん
開発元の会社
社名 | 株式会社HIROTSUバイオサイエンス |
---|---|
設立 | 2016年8月 |
公式サイト | https://hbio.jp/ |
論文 | https://hbio.jp/dsc/archives1 |
線虫がん検査の精度
線虫がん検査は、がん患者に「がん」があることを「86.3%」の精度で判定できるとされています。
また、健常者を「がんではない」と判定する確率は「90.8%」とされています。
※「日本がん予防学会 (2019年6月)」、「日本人間ドック学会 (2019年7月)」、「日本がん検診・診断学会 (2019年8月)」で共同研究機関が発表したデータを集計
検査にかかる費用
N-NOSEには二つの検査が用意されており、一般的な「線虫N-NOSE」であれば定期コースが13,800円、お試し1回コースが14,800円、一方で膵がん発見に特化した「N-NOSE plus すい臓」では70,000円、「線虫N-NOSE」を受検後に「N-NOSE plus すい臓」を受検する場合は50,000円の費用がかかるとされています。
※時期によって検査費用が変わる可能性があるため詳細は以下のリンクからご確認ください
尿検体の提出手順 (線虫N-NOSEで指定の場所に持ち込むケース)
- N-NOSE公式サイトのマイページで「提出予約 or 集荷予約」を済ませる
- 保冷剤を冷凍する
- 採尿する
- 検体を提出できる状態にをする
※事前にN-NOSEの「マイページ登録」を済ませておきましょう
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1「提出予約 or 集荷予約」を済ませる
N-NOSE公式サイトのマイページにアクセスして、検体提出書に書かれている「検体提出予約番号」「アクセスキー」を入力して、「集荷予約」または「提出予約」を完了させましょう。
ちなみに、「集荷予約」とは検体を家まで集荷に来てもらうことで、別途料金がかかります。
「提出予約」をした場合は、自分で指定の提出拠点まで検体を持って行く必要があるので別途料金が発生することはありません。
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2保冷剤を冷凍する
まずは、検査キットに入っている保冷剤を冷凍庫に入れておきましょう。
完全に凍っている状態になるまで待ってから次のステップに進みましょう。
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3採尿する
付属の採尿コップに尿を出して、スポイトで吸ってから容器に注ぐと綺麗に採取することができます。
ちなみに、採尿する時は食後4時間以上を空けた状態で、中間尿を採取することが推奨されています。
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4検体を提出できる状態にをする
採尿した容器を保冷剤の小袋に入れて封入口をテープで止めてから、保冷剤自体を二つ折りにします。
二つ折りにした保冷剤を付属の保冷バッグに入れます。
そして、保冷バッグを「N-NOSE」と書かれた提出ボックスに入れます。
最後に、「N-NOSE 検体袋」に貼られているシールに名前などを記入して提出ボックスの裏側に貼り付けましょう。あとは、検体を予約通りに提出するれば検査が行われます。
がん検査の結果
検体提出から1ヶ月ほど経つと、結果がマイページに掲載されたことを知らせるメールが届きます。
結果の報告は上記のような、癌のリスク度合いとコメントなどの文章と表形式で掲載されます。
また、メールが届いた数日後には書類でも検査結果が届きます。
表形式の検査結果
表による報告では「がんリスク」「リスク比」「N-NOSE 受験者割合(%)」を見ることができます。
「がんリスク」は点が右に行くほどハイリスクで、左に行くほど低リスクであることを表し、「リスク比」は日本国内のガン罹患率 (政府統計の2017年のがんの粗罹患率0.86%を用いた) を1とした場合、各領域はその何倍がんリスクがあるかを示したものです。
「N-NOSE 受験者割合(%)」は、各領域のN-NOSE受験者の割合(2020年)を示したものです。
「線虫くんは怪しい?」口コミや筆者の感想
「線虫くん」が世の中に出始めたことで、検査精度について怪しむ人が増えてきました。
中には癌治療の専門家からツッコミが入ったり、週刊文春が「線虫がん検査」の精度に関わる裏事情を暴露したりなどもしています。
また、とある医療機関が癌患者の尿だけをまとめて検査に出したら15%だけ陽性になって返って来たという話があったり、それに対する開発会社の声明も検査精度に不信感を与える内容となっています。
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ネット上での口コミ
線虫くんはネット上で「医療リテラシ検査キット」とも呼ばれています。
また、神奈川県の藤沢市が検査キットをふるさと納税返礼品にして問題になったりもしています。
検査自体は、それなりに利用されているようで肯定的な意見もあります。
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筆者の感想
筆者が線虫がん検査を受けてみた感想としては、まず「低リスク」判定が出ても、検査精度がはっきりとしないので全く信用することができませんでした。
なぜなら、現在の検査では誤陰性や誤陽性も出てしまうので、判定が全く当てにならないのです。
また、「高リスク」だったとしても、全身のどこにどのような癌があるのかも分からないので、追加で高額な検査を受けてしまったり、精神的にも辛くなってしまうと思います。
まとめ
ここまで、線虫くんについて解説してきましたが、検査を受けてみたくなりましたか?
今回解説した内容は個人の意見や反対派の意見が中心になってしまっているので、肯定派の意見も聞いた上で最終的な判断をしてくださいね。
この記事が、線虫検査を受けるか悩んでいる方に役立てていただけたら幸いです。