パートナーがADHDだった場合の離婚率や、過ごしやすい関係を築く工夫について考えたことはありますか?
もしもADHDの特徴やパートナーさん個人の特性について理解する機会がなければ、自分や相手にも苦しい思いをする未来が待っているかもしれません。
そこで今回はパートナーがADHDだった場合の離婚率を知ってもらった上で、実際の生活で使える「良好な関係を維持する方法」について解説していきたいと思います。
パートナーがADHDかもと思ったら診断ツールがオススメ
まだパートナーがADHDと確定したわけではないけど、「何かがおかしい」「普通のことが出来てないし」「でも、病院に行くのはオーバーだしな」と考える方には「ADHD診断テスト」と言うWeb上で簡単に診断が行えるサービスがありますので、今後の対応を決めるために利用してみるのも良いかもしれません。
また、発達障害であることが発覚して障害者手帳を受け取った場合に、全国一律で受けられるサービスについても確認することができます。
ADHDとは何か
ADHDとは「発達障害」と呼ばれる脳機能障害の一種でして、「注意欠損・多動性障害」と呼ばれています。
発達障害は先天的な障害なので幼少期から特徴が出始めますが、個人によって症状の度合いや育つ環境が異なるため場合によっては全く障害に気づかなかったり、大人になってから仕事や人間関係で躓くようになり発達障害だと診断を受ける「大人の発達障害」の人が増えてきています。
ADHDの人に見られる行動の特徴
ADHDを持つ方には、いくつかの共通する特徴があります。
「注意欠損・多動性障害」と言う名前からも分かる通り、「注意力が散漫になり一つのことに集中出来ない」「じっとしてしていられず体が動いてしまう」などの代表的な特徴があります。
また、これらのことが複雑に作用し、周りの人から悪い評価を付けられたり、仕事でミスを連発してしまうなど社会生活を送る上で大きな問題を抱えてしまう場合があります。
ただし、特徴の出る度合いは個人ごとに異なるので全員に当てはまるわけではありません。
ADHDの人の特徴
- 決められた集合時間に遅刻することが度々ある
- 掃除の途中に関係のない品などに気を取られ作業が捗らず部屋が汚い
- 電話など突然の応対があった場合、話の内容を記憶に留めておくことが出来ない
- 周りの人の視線、声、音などで目の前の作業に集中することが出来ない
- 会話中に話の内容がコロコロ変わり論点がズレることが多い
- 一方的に自分の話を始め相手の話を遮る
パートナーがADHDだった場合の離婚率
現在、ADHDなどの発達障害を持った方の離婚率を日本で正確に調査したデータはありませんが、アメリカではパートナーが発達障害だった場合72%もの夫婦が離婚しているという調査結果が出ています。
ちなみに、1990年から2019年まで日本の全年齢を対象とした調査では毎年30%の夫婦、つまり3組に1組は離婚しているといった結果が出ています。
もちろん、この中にパートナーが発達障害(ADHD、ASD、LD)の夫婦も含まれているわけです。
仮にADHDの方のデータのみにフォーカスした場合、夫婦のどちらか一方が健常者、または発達障害持ちの人であったとしても、特別な配慮が必要な場合がほとんどですので、発達障害後進国の日本では30%を軽く上回る数値が出る可能性があります。
現にパートナーが発達障害の一種であるアスペルガー症候群(ASD)を持った夫婦では意思疎通が上手くできないことによって、一方の配偶者が「カサンドラ症候群」を発症する事例があることからASDに限らずADHDの離婚率も高いと言わざるをえません。
ADHDの人と付き合う場合に苦労すること
もしこれから、ADHDを持った方と付き合うことを考えている人は、いくつか苦労する可能性のあるポイントがありますので参考にしてみてください。
最終的には個人の特徴を見てあげる必要がありますが、付き合う前では分からないことも多いはずです。
ですので、ある程度は許容できるポイントを事前に抑えておくことで付き合い始めた時のギャップを減らすことが出来ます。
付き合うと苦労するポイント
- 曖昧な言葉でコミュニケーションを取ることが出来ない
- 衝動的な買い物が多く、物が増えるので部屋が狭く感じるようになる
- 火の消し忘れや、お湯の出しっぱなしがよく起こる
- 物が出しっぱなしだったり、料理の後の食器が散乱している
- 大事な予定を忘れていたり、時間通りに待ち合わせ場所に来ない
ADHDのパートナーと良好な関係を維持する方法
ここまでADHDについての離婚率や苦労する点について解説してきましたが、付き合い始めの段階ではそこまで気にする必要もないかもしれませんが、いざ結婚して同居するようになると家事がほとんどできなかったり意思疎通がうまくいかないなど相手の欠点が後々分かってくることがあります。
そう言った場合に一方のパートナーに負担がかかっていては離婚の危機に直面してしまう可能性がありますので、実用的な対処法やガス抜きの仕方について解説していきます。
ADHDの特徴やパートナーの得意不得意を理解する
まず、大前提としてADHDの特徴とパートナーの得意不得を理解しておく必要があります。
その上で特徴に合わせて、チェックリストを用意して都度作業の確認を促したり、注意を逸らさないようにテレビや音の出る物を消したり、話す時は正確にコミュニケーションを取るなどの工夫が必要になります。
そして、工夫の中で得意な部分も見えてくる場合もありますので、そういった所はお互いに上手く作業分担すると良いでしょう。
正確さや完璧を求めることを辞める
期待した結果や行動に対して相手が出した結果が低いと一方的に負荷がかかってしまいますので、減点方式ではなく加点方式で最初は期待値を低く持っておいて接することも大切です。
特にADHDの特徴が強く出ている場合は通常の家事、育児は非常に大変な作業になりますので、あまり正確さや完璧を求めないようにしましょう。
また、本人も正確に作業しようと行動しているはずですので、一方的に責めるなどの行為も絶対にやってはいけません。
お互いに個別の時間を持つようにする
ADHDの特徴を持つ方の中には、言葉の使い方が攻撃的であったり、自分の喋りたい話題を延々に話し続ける人がいます。
ですが、まともに向き合っていると精神的に参ってしまう場合がありますので、必ずお互いが離れていられる個別の時間を持てるようにしておきましょう。
そうすることによって、お互いに気持ちの整理がつきやすくなったり、精神力を常に一定のラインで保ち続けることが出来るのでパートナーとの良好な関係の維持に役立ちます。
まとめ
今回はパートナーがADHDだった場合の離婚率や良好な関係を維持する方法について解説してきましたが、いかがでしたか?
発達障害という特性上、一般的な夫婦生活よりも工夫することは多いかもしれませんが、お互いのことをより深く理解し合えるようになることでしょう。
結婚生活は長いですから毎日の生活も大変かもしれませんが、先のことも考えつつ気長に改善に向けて頑張っていきましょう。